蘇芳地唐花文銀襴刀袋
蘇芳地に平銀糸で織られた綾地、
別絡みの全越組織。
銀の下に朱も塗られており、堅牢な輝きを目指したものと思われます。
現状は銀が剥落し、
拡大組織をみると変色した銀、その下の朱、さらにその下の和紙がみてとれます。
和紙自体がまだ十分のこっており、時代は室町以降かと思われます。
裂は渡りのもの、刀袋に仕立てたのはもちろん渡ってきた時代より後代でしょう。
類例として挙げられるのは同じく蘇芳地の花鳥文銀襴狩衣(15世紀、関市、春日神社)。
いずれにせよ貴重な資料であるとともに、
渡り裂の魅力が十分に残っている状態の良いものです。
約59×9センチ前後
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